「――しかしどうして魔女の手を借りるのだ。その薬は君には作れないのか」 「作れますよ。作れますが時間の無駄ですね。そんな暇があれば橋を千くらいかけてお目にかけます。腕や術ばかりじゃなくて、ひどく辛抱が要るんですから」 「!」 「これはこれは・・…
なんと、己はまだこの牢獄の中に屈まっているのか。呪わしい陰気な、この壁穴の中に。やさしい陽の光さえ絵ガラスの窓に遮られて、濁るではないか。たださえ狭いこの部屋を書物がさらに狭くし、その書物も紙魚に喰われ、ほこりに覆われて、高い丸天井近くま…
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